人間というものも当然のことながら
地球上の生物の一種であるから
自然の環境に影響されるのは当然である
生物としてうけとる
寒さというものは
やはり何かしら陰で内な感覚である
日本文学史上で
太宰が東北の地から生まれ出たのも
偶然とばかりはいいえず
おそらく東北の
見通しのきかない鉛色の寒さが
その精神を自分の内面に向かわしめ
彼をして何とも感情的に内向きな
精神文学を書かしめたに違いないと漠然と思ったりする
寒さは人をして
その精神を
内向きに向かわしめる
そのことが別に悪いということではなく
季節におおじて
いろいろと対応させられる
日本人が幸せであると言いたいのである
北海道の雪に接した後
東京の地を踏み
日本列島の多様さを改めて体感した
実は日本人は
その歴史の中で
小さいとはいえ
南北にひょろ長く
春夏秋冬の四季が明確で
それゆえに世界中で最高に芳醇な土地に住み続ける中で
いつの間にか
人間としての多様さを
自然と持ち得ている
多様さというのは言いようもなく強みである
日本民族は
他国人からはなににもまして
不可思議な存在と映るのかもしれぬが
実は日本人にとっては
至極当然の仕儀なのである
多様さを歴史的にも培ってきているのである
とはいえ
最近の日本人の溶解ぶりは
何ともひどいとしかいいえず
そのことを考え始めると
陰鬱として下を向きたくもなる
といえど
寒いながらも
上を向いてあるこう
その方が楽しいし心地いいはずだからである
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