帰省してまずやるべきことは
ご先祖へのお墓参りである
帰省した翌日は
折悪しく急遽台風が生まれて
天候が不安定であった
朝7時に起床する
弟は和菓子屋に務めていて
お盆休みのこの時期は
稼ぎどきということで
休むというわけにはいかず
むしろ連日の激務にねを上げそうであった
若い時のように
夏休みといって
遅くまで眠りこけることもなく
早朝の起床は気持ちがイイ
母親とお墓参りに出向き
二人でお墓を掃除しながら
来し方のご先祖のおはなしなどを
話して線香を手向けた
お墓のあとは
草牟田のおばちゃんのところだ
おばちゃんには
何がなんでもいの一番に会いに行く
81歳ということであったが
顔色もよく
よく来たねとうれしそうに笑顔で迎えてくれると
こちらとしては
なんとも懐かしく面映ゆく
帰ってきてよかったと心から実感する
天候が崩れつつあったが
霧島の石原荘に昼食を食べに出かける
家をでた瞬間に
猛烈な雨に見舞われたが
どうにかなるだろうと心の底では
安心しながら
レンタカーは高速に乗った
猛烈な雨で
視界がすこぶる不良である
後方座席ではおばちゃんが何かしら不安げだったが
そんな空気を気遣い
母がいろいろな話をふり
車内は笑いに包まれた
そんなカンジで霧島へは
一時間そこらで到着した
石原荘は
母親が俳句の会で過去来たことがあるという
なんとも頼りない情報を元に訪れたが
気品があり情緒があっていい
ありがたい事に
霧島にて高速を降りた途端
あれほどの激しい雨が
上がってくれ
連日の猛暑の中
むしろ幾分涼しくなり
神の恩寵か
本当にありがたいことであった
母もおばちゃんも元気が出てきて
連れて行くこちらとしても
それだけでうれしくなる
食事をするところは
天降川を横に見ながら食べることができ
まさに絶景の場所である
食事は会席料理で
一つ一つの料理が
季節をふんだんに取り入れ
愛情がにじむいいものであった
おばちゃんが
なんともこんなところがあったとはねえ
誰か来るとき連れてきたらいいねえ
と元気に言ってくれたこと
また
でてくる料理のすべてを食べてくれたことに
なんとも嬉しくなった
食事と一緒に
お風呂も入れますということで
高齢のおばちゃんや母親は逡巡していたが
せっかくだからと
1時間ほどお風呂に入ろうとわかれた
露天ぶろは天降川の川沿いにあり
なんとも絶景である
大雨で流れの早くなっている川を眺めながら
妙見の湯にしばしつかり
蝉のしぐれる夏のひとときを過ごした
猛烈な雨も
しばし休息してくれていて
なんともめぐまれている
風呂を上がったあとは
入ってよかったと
蒸気した笑顔でおばちゃんが笑っていた
とはいえ
天候が不安なので
そのまま帰宅した
夕食は
昼のお礼にと
近所で美味しいと評判のそば屋に連れていってもらう
おばちゃんとそのむすこと
母親と自分
4人でうまいそばとノンアルコールビールで再会を祝した
皆一様の歳を取り
なんとも不安定な感じだが
それゆえに
このなんともいえない大切な時間が
できることならば
このまま永遠にとどまってもらいたいという
愛しく切ない想いに包まれる
夏の一日となった
連綿とした血のつながりと
そこに厳然つ貫く礼節
そして人としての限りない優しさ
いつもやさしく教えてもらう
マッコテ
よすごあした
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