人生の彩りは文字通り千差万別で
どのデザインが模範解答というような人生画はないはずである
荒波にほんろうされて
ふらふらと放浪している主人公が
いつの間にか市場にさしかかった
露天商が商いしている
ペルシャ絨毯の美しさを
見るともなく眺めていた
そんな彼を見て
その露天商がニコニコと商売を始める
このペルシャ絨毯の美しさはどうです
こんなのは当代一で
今後なかなか手に入りませんぜお客さん
そんな言葉も彼にはうつろに響く
それほど彼は打ちひしがれて
疲れきっているのだ
そんな彼に商売の可能性が少ないと感じたのか
露天商はそれ以上勧めはしない
立ち去りゆく彼の背中に対して
その露天商は声をかける
【元気を出しなお客さん】
【人生はこのペルシャ絨毯のようなものですよ!】
ボーとしている彼にその言葉が
どの程度浸透したのか・・・
静かに静かに彼の心のなかに流れていった
人生はペルシャ絨毯・・・・
その模様に模範解答なぞはない
右に行っていた線画がいつの間にか
大きく弧を描き
上方向に方向転換
かと思いきや
カーッと左に旋回し
そのまま下に流れ込んでゆく
そんな一見何の脈絡もない
その動作も
一歩下がって
そのデザインを遠目に見たら
えもいわれぬ美しさであったりする
右ばかりの直線のデザインだったり
円ばかりのデザインなんどは
なんとも味気ない
絨毯の価値をその対価の金銭で図るとすれば
そんな単調なデザインの絨毯なんぞ
二束三文にもなりはしない
とすればやはり
紆余曲折
思いがけない荒波も
それもまた美しい人生の構成画の
重要なファクターなのである
先日人生のコースを
自分の意思で急旋回した男に逢った
その決断の前には
想像を絶する苦悶があったようで
私を含め彼以外の人間には
わかりたくともわかることのできない煩悶のようであった
そんな彼もよしッと自分なりの
決断をして
そのあと再会を果たした
そんな彼の表情は
これから始まる新しい船出に
大きな不安を抱えながらも
それでいて
今までの幾重にもこんがらがった
苦悩や関係性を
一先ず自分なりに整理しえたような
達成感の片鱗らしきものも感じられた
人生はペルシャ絨毯
自分も含め
これからの人生は何が起こるか
まったくわかりまテン
それでも元気に生きていくことだけである
坂を踏ん張って昇ってゆくのである
その苦行を和らげるために
家族があり
友があり
酒があり
笑いがある
何とも言いようもないが
ともかく頑張ってもらいたい
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