一週間という
社会生活上の
規則性のなかで
自分なりのリズムを形作ってゆく
不毛とまでは言わないまでも
賃金を得んがための活動は
何かと肩がこるものだ
そんな緊張を
週末の時間に弛緩させてゆく
土曜日の朝
静かな鳥のさえずりとともに
脳が起動し始める
体を横たえたまま
少しずつ覚醒してゆき
いろいろな記憶がよみがえってくる
昨夜までの
自分の言動などの比較的
近いものから
自分の今の所属や
自分のありようなどという
基盤になるような記憶がそのあとに続いてくる
自分の体が
正常か確認作業に入る
大丈夫のようである
そこから、
これから如何にすべきかということの
自分との対話が始まる
寒いようだ
しかし体をリフレッシュさせるためには
散歩してみたい
今の刹那のぬくもりと
散歩することによる
心身ともにリフレッシュできるという報酬を
自分にとっての損得の勘定のように
自分のなかで両てんびんにかける
ようし
動き始めようか
冬の朝
自分の散歩コースからは
東京タワーを望むことができる
東京タワーを囲むように
栄華の象徴のような
高層タワーの林立群がそびえている
一歩一歩足を進めながら
想念は四方に駆け巡ってゆく
自分の体と精神が
ずれていた位置から
顕微鏡でピントが徐々にあってゆくように
少しずつ重なり合わさり統一されてゆく
どこまでも広がる冬の朝の空を見上げる
どこまでも広がるそれに向かって
自分のあらん限りの力を振り絞り
口を大きく開けてみる
大きな空に比して
自分の渾身の力を込めて広げた大口は
何とも卑小に感じられ
そこから敷衍させて
自分を取り巻いているさまざまな関係性が
実はとてもちっぽけなことのようだと
体と心に実感として浸透してくる
大きく開いた口から
冬の新鮮な酸素が流れ込んでくる
空から降り注ぐ太陽の光に
照り返された東京の海は
間違うことなき海である
自分の身近な空間に
間違うことなき自然が凛として在る
さまざまな関係性が想起されてきて
自分のありようの方向性みたいなものが
自然のやさしい様態から示唆される感覚を感じる
自然の恩恵を受けつつ
同時に人間が過去から連綿と築いてきた
文化をも吸収し
同時に今の自分を取り巻く
ナマな人間群からも絶え間なく吸収する
歩は止まることなく
一歩ずつ見えない轍を作ってゆく
後ろを振り向く
元気よく歩く見ず知らずの人が見える
朝の光を体にしっかりと浴びながら
一週間の塵芥を
とかしてゆく
うまい飯を食べて
あつい風呂につかり
深い眠りに就こう
基本に横たわるのは
人間的というより
生物としての基本的な営みの停止することなき継続
それが心地よい幸せの定義なのかもしれない
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