2009年1月30日金曜日

近所のパスタや

うちの近所に
半年ぐらい前から
少しこじゃれたイタリヤ料理店が開店している

イタリヤ料理といっても
とても小さい店で
実際は何種類かのワインと
少し手の込んだパスタを出すような
お店のようである

ようであるというのは
実は私はまだ一度も伺ったことはないのである

ただ
いつも朝夕の通勤の時に
その店の前を通っているのである

いつもカウンターの席には
お客さんが座っていない

それでもシェフは
厨房で少し前かがみになりながら
何かを作っている

フロアーには
優しそうな女の子が
シェフと談笑している
お客様を待っている様子である

時々 本当に時々
少しおしゃれそうなカップルが
座っていたりして
そんな時はそこのシェフはとてもうれしそうに
手を動かしながら
カウンター越しに
笑顔を浮かべている

私はそんな光景を見ながら
いつも一人
家路に就くのである

そんなあまりはやらないお店でも
店頭には小さな黒板が立てかけてあって
気の利いた季節のあいさつと
その日のお勧めの料理が
かわいらしい文字で書いてある
毎日更新されているのである

一人だけのアルバイトの女の子か
はたまたシェフの
若い奥さんなのか
カウンターに立っているその女のひとが
書いているのだと思う


先日少し酒を過ごして
帰るのが12時を過ぎることがあった

そんな遅い時間には
当然その料理店は
閉店してはいたが
お店の中は薄く光がともっていた

何とはなしにのぞいたら
店長兼シェフのスマートな男性が
一人カウンターに向かって
ノートをとっていた

その日の売上の記帳だろうか
はたまた料理の新しいレシピだろうか

その日はお客さんは来たのだろうか


あまりはやっていなくても
腐ることなく
毎日開店してお客様をお迎えしている
そのお店に
その夜は何となく敬意を感じた

少し酒は入っていたが
えらいなあと思った

どれだけの売り上げがあったかは知らないが
その日その日の売り上げを
夜遅くしっかりつけている

接客業ゆえか
そのシェフの髪の毛は
常に清潔に短く刈りあげられ
嫌味っぽくなく
少し金髪でツンツン立っている

お客様を迎えるための
マナーとしての
お洒落なのだと思う


仕事とは本来そんなものではないだろうか

おそらくそのシェフにとって
そのお店を開店するのが
長年の夢だったのだと思う

ようやく一国一城の主になったのだ

おそらく家賃もそれほど安くはないはずである

一日一日の日売りの積み重ねで
そのイタリヤ料理屋さんは
目立つことなくそれでいて堅調に
日々の暮らしを立てているのであろうなと
想った・・・

もちろんそのシェフは
私の存在なぞ知る由もないはずである

おそらくこんなことを
見も知らぬおっさんから
想像されるなぞということも
大きなお世話なはずである

しかしながら
仕事とは何かということを
何とはなしに感じさせられているこちらなのである

だったら一度のぞいてみたらいいじゃない
その通りである

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