慶応病院にいったのは
3月の30日だった
信濃町の駅を降りるとすぐに
慶応病院はある
桜の満開の時期で
桜の華やぎと
自分の体調とのアンバランスに
少しく気はめいった
これまで
大学病院などにかかることは
人のお見舞い以外にはなかった
ロビーに座る多くの人々をみて
世の多くの人はみな
何かしら背負って生きているのだなあと
心に思った
診察を受けるのは
神経内科
この科自体に自分がかかわるのも
当然ながら初めてである
診察を待つ人たちは
車いすの人や
極端にやせた人など
様ざまだった
診察した医者は
50がらみで
やけにはきはきとずけずけと物をいう
その医者が診察することを
横で看護士が
その都度パソコンに入力してゆく
右目を確認し
目の前で歩行させ
両手に力を入れさせ
左右
上下
に目を動かす
じゅうしょうきんむりょうくしょうの
疑いあり
入院の必要ありますな
筋電図
CTの必要もあり
その場で検査の予約を入れていく
入院できますか
病室は個室、複数部屋?
矢継ぎ早の質問に
半ば呆然として
入院ですか?
じゅうしょうきんなんとかってなんですか
字はどのように描くのですか
重症筋無力症です
筋肉が動かなくなる病気です
予想もしない展開に
待っていてくれたかみさんにも
しばらく口をきくことができなかった
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