家路に向かう途中で銀座を歩いた
日曜日の銀座は歩行者天国になっている
普段我が物顔で走っている車に
どちらかというと肩身の狭い想いをさせられている
歩行者にとって
銀座の道の真ん中を
大手を振って歩けるということは
それだけのことだけれでも
何かしらとても解放された気持ちになった
銀座を過ぎゆき
そのまま京橋日本橋の方面に向かうと
何かしらイベントをしているようだ
いろいろな団体が
この日のために特別に拵えた
素敵な衣装に身をまとって
晴れ姿を披露している
参加している中学生のブラスバンドが
行列もしっかり一所懸命に演奏をしている
先頭に歩いている女の子は背筋をしっかりと伸ばし
恰好よくバトンを振って
それに連れて子供たちがそれぞれの楽器を
重そうに担ぎながら演奏をしている
何かしら30年ほど前の
自分の若き往時を思い出し
人知れず目頭が熱くなった
曇天のなか
雨が泣き出さずによかったね
この日の晴れ舞台に向けて
いろんなところで
いろんな人たちが
それなりに訓練をしてきたのだろう
その晴れ舞台の日が
今日だったのだろう
そんなことは露知らず
何気なく歩いていた私
そんな気まぐれな一期一会を
少し感じ入る秋の季節である
大いなる頂に至る時もあれば
谷底深い底辺に想いが至ることもある
それは人間だからですよ
と誰ぞの言葉に目がとまった
まさにその通りで
昨日あれだけ気持が高揚していたかと思うと
今日はどん底に気分が落ち込んで
何もかも破れかぶれで
自分には
できるものなぞ何にもないのかもしれない
と心が大きくぶれることがある
でもそんなこと
人間故の当然の起伏ですよというのだ
そうか
そうだよねと
何かしらその言葉に
自分なりに得心した
それなりに時節を過ごし
人生行路をあるていると
当然のことながら
いろいろなことがある
そういえば
こんなことも聞いた
ひとは誰でも
自分のオアシスを足元にもっているのだよ
そうかもしれない
ひとはオアシスという名の幸せを求めて
飽くことなくどこかに歩み続ける
ここではないどこかに
何かしらの自分にとっての
幸せがあらんと
根拠のない希望をもって
さまよい続ける
しかし実は幸せは自分の足元深くにあるのですよ
そう、あるにはあるが
それはそう簡単には見つからないくらい
深い深いところにあるという
今自分の人生は幸せだよといった
わけもわからずただやみくもに生活に追われて
始めた習字の教室
その教室を軸に動いている自分の人生は
確かに幸せだと最近確信できつつあるという
だけどそんなとても小さな小さな幸福感を
しかと感じるごとく見つけるには
30年以上の長い歳月がかかったね
と少し感慨深くつぶやいた
そんなことを
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